「足利尊氏」の肖像画とは?わかりやすい解説とクイズ問題
騎馬武者像は、かつては足利尊氏の肖像画として広く認識されていましたが、現在ではその認識に疑問が投げかけられています。
この絵は江戸時代後期に松平定信が編纂した古宝物図録「集古十種」に足利尊氏の肖像として掲載され、長い間そのように解釈されてきました。
しかし、現代の研究により、絵の中の人物が実際には足利尊氏の側近である高師直やその子供の高師詮、あるいは他の武将である可能性が指摘されています。
この像は南北朝時代の装束(装束:特別の目的に備えた衣装)や武具を身につけた武者を描いており、その甲冑や武器は非常に高価なものとされています。
特に、画韋(画韋:獅子 ・牡丹 ・不動尊などの文様の彫り型を当て、藍や赤で染めた革)に描かれた文様や使用されている大鎧は、鎌倉時代以前の様式が反映されており、画中の武者が古い大鎧を受け継いでいることをあらわしています。
また、馬具に描かれた家紋が高師直の家紋である輪違紋であることから、像主が高師直であるとする説が有力視されています。
しかしながら、肖像の上部にある花押(花押:判・書判・押字とも呼ばれる図案化された署名のこと)が足利尊氏の子供である足利義詮のものであるため、尊氏の肖像である可能性も完全には否定できません。
このような背景から、教育資料や歴史書では、この絵を単に「南北朝時代の騎馬武者像」として紹介することが多くなっています。
騎馬武者像が誰を描いたものなのかについては、未だに結論が出ていません。
足利尊氏の肖像画クイズ問題
【4択クイズ問題】
Q
騎馬武者像は、現在の研究から、足利尊氏の肖像画ではなく、誰の肖像画である可能性が指摘されているでしょうか?
- A. 楠木正成
- B. 北条高時
- C. 護良親王
- D. 高師直
【穴埋めクイズ問題】
騎馬武者像はかつて足利尊氏の肖像とされ、江戸時代後期に( ① )が編纂した「集古十種」に掲載されて以来、その認識が広まりました。しかし、近年の研究では、この像主が実際には尊氏の側近である( ② )やその子供の高師詮、または別の武将の可能性が浮上しています。この像は南北朝時代の武具と装束を身につけ、馬具には( ② )の家紋である輪違紋が確認されるため、( ② )説が強い支持を受けています。しかし、肖像の上部に( ③ )の花押があるため、足利尊氏である可能性も否定できません。現在、この絵は教育資料や歴史書で「南北朝時代の騎馬武者像」として紹介されています。
( )のことばを答えてみよう!